ここまでが4巻目です…ということで、切りの関係で短いです…。
勇一が懐から煙草を取り出すと、自分の椅子で一服入れはじめた。
凄く久しぶりに座った気がする。
「…組長、アッシは何を?」
佐々木には、特に指示がなかった。
「なんだ、まだ居たのか。さっさとガキを連れて来い」
「ぇえええ? あの件は…もう、ナシになったんじゃ、」
「寝ぼけてんじゃねえぞ。ナシにしてやったのは、テメェの身体の話だろうが。ガキに話があるのは何も変わっちゃいねえ」
「…やはり組長は、ダイダイの可愛い桃を」
煙草の先を灰皿にグリグリ押し付けながら、
「いい加減にしろよ、またその話を蒸し返す気か? ガキの青いケツもテメェのブツブツしたケツも狙うか、度アホッ。俺のマグナムは勝貴だけしか悦ばないんだよ」
勇一が佐々木を見据えた。
「だったら、何の用事か教えて下さいっ!」
「連れて来いったら、連れて来いっ! 話があるって言ってるだろうがっ。出て行ったからって、アレも桐生で世話になった身じゃねえのか? あいつに仕事の話があるだけだ。一々テメェの許可がないと、話をしちゃいけね~とは、まさか言わね~よな? は?」
まくし立てる口調に、勇一の苛つき度が現われていた。
「だいたいお前達が無事合体出来たのは誰のおかげだと思ってるんだっ! ハネムーン先で逃げられた情け無い男のくせに、でけぇ面晒してんじゃねえぞ、桐生組若頭、佐々木修治」
「…顔の大きさを問われましても……」
「はあ?」
「いえ、何でもありませんっ」
「連れて来るのか、来ないのかって、訊いてるんだ、どっちだ」
ギロッと勇一が佐々木を睨む。
「最初から、仕事の話だと言ってくれれば、アッシだって…」
「グダグダ煩いっ、どっちだ、答えろ」
本当は仕事とは何の関係もない話だったが、佐々木が愚図るので個人的な話から仕事の話にすり替えた。
目的は手段を正当化する、大喜と話が出来ればいいのだ。
「連れて来ますっ!」
言うと同時に佐々木が事務所を飛び出した。