秘書の嫁入り 青い鳥(15)

「見るな! 気が散る」
「アホ抜かせ。見るために、全裸にさせているのに、見るに決まってるだろ。味はまあまあでも…目的は達成中かな?」
「目的?」

勇一の言葉を受け、時枝は自分の股間に視線を落とした。

「ヤッパ、スッポンかな?」

おじぎをしていたモノが、頭を上げていた。
所謂(いわゆる)半勃ち状態の一歩手前。

「見るなっ!」
「いいじゃん、俺なんか、もっと凄いことなっているしさ。本当は、食事どころじゃない状態」

勇一のモノは、完勃ちの一歩手前だった。
勇一の目がギラギラ光っていることに、時枝は気付いた。

「食事は、させろよっ! 腹は減ってるんだから」
「分かってるって。気にしないで、ゆっくり食え」

やる気みなぎる勇一の真横で、その欲望丸出しの視線に晒されての食事は、非常に食べにくいものがあった。
が、意地でも全部食ってやると食事を続けた。

「酒、飲めよ。シメはマムシだろ?」

勇一が、ガラス製のおちょこに酒を注ぐ。
ボトルの中には、マムシがクルッと丸まっていた。
蛇が気持ち悪くて飲みたくない、という本心を口に出すと意気地がないと笑われそうなので、おちょこの中身はタダの酒だと思い込んで口にした。
かなり度数が高い酒のようだ。
飲み干した瞬間、カッと胃袋が熱くなった。

「強いな…喉まで焼けそうだ」
「精をつけるには最高だろ?」
「ふん、俺だけ飲まそうってわけじゃないよな? 勇一も飲め」
「…俺は遠慮しとく。料理作りながら、チビチビ飲んだから、これ以上飲むと、鼻血が出る」
「中坊みたいなこと、言ってんじゃ、ねぇよ…飲めっ。アレ…俺…てめぇええええっ!」

急激な身体の変化を感じ、時枝は勇一の謀に気付いた。

「これ、タダの酒じゃないだろ!」
「だから、マムシの酒だろ?」
「だけじゃねぇ! いくら、マムシだからって、こうなるかっ!」

時枝が、自分の股間を指さした。
そこには、これ以上膨れようが無いほど血管を浮立たせて膨張し勃ちあがった一物が、涎ダラダラで揺れていた。
しかも、問題はそこだけじゃなく、違う場所も大変な状態で、ジッと座ってられなくなった。

「クソッ、ケツまでムズムズするっ! 何を盛ったか、正直に言えっ!」

時枝が、勇一の左右の頬を指で摘んでグイッと引っ張る。

「ぜぜぜぜ、ぜでぃんぐ」
「なんだとぉ! ハッキリ言えっ!」

引っ張るだけ引っ張って、ピンと指を放した。
勇一の頬の色が変わった。
かなり痛かったはずだ。

「絶倫ドリンクっ、イッテェ~よ!」
「お前、まさか…この中に、混ぜたのか?」
「ああ、俺さま、頭いいだろ? その中だけじゃないぜ」

勇一が頬をさすりながら、得意気にウィンクをする。

「…ははは…勇一、俺から…殺されたいとか? 正直に言え。どれにどれだけ混ぜたんだ!」

問いただしながらも、時枝の身体は震えだしていた。

「ステーキのソースに一本、勝貴のスッポンスープに二本、マムシのボトルに三本、どれも味が分からなかっただろ? 色々、大変な勝貴への、俺からの労いだ。これで数日間は仕事に行けないぞ。良かったな、勝貴。俺様は本当に勝貴想いの愛情たっぷり人間だ」
「…いい…は…ずっ、ない…だ…ろうっ…、人の…し、ごと…を…なんだと…思って……くそッ……ゆういちっ、立って…はぁ、られな……」

皮膚から毛穴まで、全てが性感帯になっいた。
吐き出す息ですら、刺激になる。
床に付けた足の裏までくすぐったくて、時枝は勇一にしな垂れ掛かった。

「俺がいるから、壊れるぐらい乱れろ。お前、自覚している以上に、ストレス溜まってる。頭空っぽにして、俺と交われ」

組長口調で言われた。
勇一が命令口調で言うときは、ふざけてないときだ。
時枝を心配してのことだと、匂わせる。

「お預け食らっていた俺へのご褒美よりも、俺から、勝貴へのご褒美に切り替えだ。いいな? 徹底的に犯してやるから、覚悟しろよ」
「…すき…かって…、いいやが…って……、どう…にかっ、しろっ……」

勇一が、ヒョイと時枝を担いだ。
勇一の裸の肌に、時枝の先端が擦れただけで、時枝は爆ぜた。

「…さい…悪だ…」
「最高だ、だ。良い匂いがする…ははは」