秘書の嫁入り 夢(29)

「黒瀬ぇ、あの…ここじゃなくても……ユウイチだけ、借りるってことも…」
「潤、さっきも言っただろ? ふふ、折角だから、余興に参加して楽しまないと。もちろん潤の身体を兄さん達に見せるのは、勿体ないからイヤなんだけど。大丈夫、兄さんには、潤を触らせないから」

まだ、あの時のことを黒瀬は根に持っていた。
潤の身体を残酷に痛め付けた勇一の行為を、理解はしても許しているわけではなかった。
シャツを脱がし終わると、ベルトを外した。
あっという間に衣類は全て脱がされ、靴下は潤自ら脱いだ。
潤が裸になると、黒瀬も素早く服を脱ぎ捨て、時枝の頭の横に潤を抱いて座った。

「オイオイ、兄弟で4pでもするつもりか?」
「まさか。時枝と兄さんの交わりに参加するつもりはありませんよ。ただ、ユウイチを共有させてはもらいますが。それに、可愛い潤の喘ぎ声を聞けば、もっとお二人も興奮するでしょうから。この装飾を施した可愛い身体見て下さい」

官能の海に溺れてしまっている時枝には無理だったが、勇一は黒瀬に胸を開かれるよう抱かれた潤に視線を移した。
左右の尖りにぶら下がるアメジストが、黒瀬の指で弾かれ、キラリ、妖しい光を放った。

「ふふ、いいでしょう。次の誕生日には、ここに、新婚旅行先で買ってきたオパールも飾る予定です。ね、潤」

黒瀬の指が、潤の半勃ちの先を擦る。

「うん、黒瀬…楽しみ」
「痛いかもしれないよ?」
「…バカ…、それが、嬉しいんだろ…黒瀬が俺に与える痛みは、俺には最高に快感なんだから…」
「オイ、何、勝手に盛り上がってるんだ、この変態バカップル」

邪魔な上に、二人の世界に突入している黒瀬と潤に、勇一が時枝を責めながらも口を挟む。

「ユウイチを嗾(けしか)けて楽しんでいる兄さんに、変態扱いされるとは。ふふ、兄さん、羨ましいんでしょ。素直じゃないな」
「ほざけ。俺はいつでも、素直だ。変態を変態と言ったまでだ。ユウイチだって、嗾けたわけじゃない。ユウイチが、時枝を気にいっているだけじゃないか」
「じゃあ、ユウイチ、借りますよ。潤、ユウイチを呼んでごらん」

潤が時枝の乳首を吸っているユウイチを呼ぶ。
顔を上げたユウイチに見えるように、黒瀬が潤の胸にぶら下がるアメジストを揺らすと、ユウイチの興味が時枝から潤に移った。
潤の前に来て座り、揺れるアメジストを目で追っている。

「ユウイチ、潤の胸、素敵だろ? ユウイチ、ほら、ミルクでるかもしれないよ?」

黒瀬が、潤の胸の尖りが前に突き出るよう、指で挟んだ。 
赤く熟れた潤の乳首とアメジストが淫猥に強調される。
飛び付いていいのか、駄目なのか…ユウイチは黒瀬と潤の顔を交互に見比べている。
一方、急にユウイチからの刺激を失った時枝が、物足りなさを勇一に訴えた。

「…勇一っ、噛んでっ!」
「こっちは、どうするんだ? 休憩か?」

こっちとは、もちろん時枝を攻めている腰の動きのことである。

「…ぁあっ、止めるなっ、両方っ、しろっ!」
「…ったく、我が儘な、姫だ…ユウイチの涎でベトベトじゃないかよ…」

時枝の乳首は、ユウイチの唾液で光っていた。
その上から噛めとは辛いものがあるが、勇一は時枝の求めに従うことにした。

「上、覆うぞ。痛くても文句言うなよ」

上とは、時枝の陰茎のことである。
時枝を穿ちながら、胸の位置まで口を持って行こうとすると、勇一の腹が時枝の腹に合わさる形になる。
つまり、猛った時枝のモノを押し潰すことになる。

「…早くっ…、勇一ッ、」
「ったく、人使いが荒いヤツだ」
「と言いつつ、兄さん、嬉しそうな顔しちゃって」
「なんか、言ったか、武史」
「いいえ、別に。潤、自分で乳首弄りながら、ユウイチを呼んでごらん。きっと、飛び付いてくるから」

黒瀬の手が潤の乳首から、蜜が溢れる先端へと移動する。 
片手で竿を握りながら、先端を割るようにして蜜口を開くとそこに爪を立てた。

「…ぁん、ソコ、弱いのにッ…」
「好きなのに、だろ。ほら、ユウイチが行って良いのかどうか迷っているよ? 呼んであげて」

潤が自分の両手で左右の尖りを挟む。
先程、黒瀬がしていたように乳首を突き出すと、ユウイチが潤の乳首に釘付けになった。

「ユウイチ、おいで。俺の、舐めてみる?」

素早かった。
潤の左側の太腿に飛び乗ると、前足を潤の胸の下に沿わせ、潤の左側の乳首にユウイチが吸い付いてきた。

「ふふ、左から攻めるとは、順序を心得てるね」

所有の証として、潤の胸に、最初のピアスが飾られたのが左だった。
右にピアスを装着するまで、三ヶ月間が開いたせいもあるのか左の乳首の方が感度が良い。