秘書の嫁入り 青い鳥(6)

「正直な子だ。この新入社員はお仕置きが好きらしい」
「…酷いよ、黒瀬…治外法権って言ったじゃないか……バカッ…」
「ここじゃ、狭いから移動しよう」

前を出したままの黒瀬が潤を抱え、来客用のソファーへ移動した。
その際、社長室の入口に鍵を掛けることも忘れなかった。

「さあ、全部脱いで」

自分はソファに腰掛けると、その前に潤を立たせた。

「…全部は…恥ずかしい…だって、ここ…」
「社長命令だ。全部脱ぎなさい」

興奮しているのか、恥ずかしいのか、なかなかスムーズに脱げない。
全て脱ぐまで黒瀬は手伝わず、潤の手が不器用に服を剥がす様を眺めていた。

「やっと、脱ぎ終わったね。欲しいものをあげるから、こっちに来て」

潤を自分の膝に乗せた。

「もう、ここ、尖ってる」

潤の胸の突起を片方ずつ、甘噛みした。

「んぁ、」
「お仕置きをしないとね」

いつの間に忍ばせておいたのか、小さなバネ式のクリップを取り出した。

「ウッ、」

ぷくっと膨れている先を潰すように挟む。

「いたっ、いよぅ」

左右とも挟まれた。胸から縦に鋭い痛みが走り、それがやがて鈍痛へと変わる。

「ふふ、でも、この痛みが好きなんだよね…潤は最近とっても淫乱さんだから」
「…誰のせいだよっ…」

まだ新婚の二人は、夜な夜ないろんなことを試していた。
最近は二人して、SMごっこに嵌っている。
黒瀬的には本格的なものでも楽しめるのだが、以前自分が薬物中毒に陥り記憶障害だったおり、潤を酷い目に遭わせた経緯があるので、遊びの範疇で抑えている。
しかし、潤はそんなことは気にしてない。
二人で楽しめるなら、愛情を確認できるなら、相手が黒瀬なら、何をされても構わないと思っているし、むしろ、極限まで付き合う気でいる。
黒瀬に信頼と愛情を置いている証をそうすることで示したいのだ。

「真っ赤に充血しているのが、クリップの間から見えるよ」

黒瀬が軽くクリップを引っ張る。

「あぅ、」

さっきから焦らさられている潤に、痛みという刺激が加わったことで、我慢の限界が近づいていた。
黒瀬を体内へ咥え込みたいという欲求の我慢が…臨界を越えた。

「潤、どうして腰が浮いているの?」
「…くろせっ、早くッ…」
「まだ、解してないよ?」
「…だい、じょうぶっ…」
「こら、自分から当てるなんて、悪い子だ」

潤が浮かした腰を黒瀬の先端に狙いを定めて降ろした。
ヌルヌルしている先端部分を自分の孔に当て、ヌメリを擦り付けている。

「ふふ、賢いね。私の蜜だけで、大丈夫かな? もう、飲み込みまれそう」
「…挿れてっ」
「何を? 指?」

この状況でわざわざ訊く黒瀬自身も、実は早く潤の中に収まりたいのだが、我慢できずに焦れて悶える潤が可愛くて、自分の欲望と戦い、意地悪を言う。

「…大きいの…はやくっ…」
「大きい何だろう?」
「…しら…なっ、い…、もっ、イイッ!」

待てないと、潤が自ら、腰を降ろす。

「こらこら、そんなに乱暴にしたら、裂けちゃうよ。ふふ、もう、私も限界だから…意地悪はやめようね」

黒瀬が潤の腰を持ち、ゆっくりと潤を沈めていく。

「ァああっ…くろせっ…」
「ぁあ、潤の中は夜でも昼でも最高だね…」

潤だけが自分を癒してくれる。
血縁関係の誰からも癒されたことのない黒瀬には、今家族となったこの潤だけが唯一の憩いの場であり、自分が泣ける場でもあった。
特に、こうして、繋がっていると、自分には潤しかいないことを強く実感できる。

 

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