秘書の嫁入り 夢(8)

「…う」
「―時枝さん? …黒瀬、」
「どうした、潤?」
「時枝さんの、少し大きくなってる」
「ふふ、やっぱりね。時枝、ユウイチに感じちゃった?」

時枝の精神に感じる余裕はなかったが、身体は反応を示した。
ユウイチに感じたというよりは、与えれる恐怖と、掘り起こされた犬からの感覚、それと潤の手による緩急差が激しい刺激に、時枝の一部は反応してしまったのだ。

「…ぁあ、…や…」
「いいじゃない、感じちゃえば。情けない兄さんより、こっちのユウイチの方がいい働きするんだから」
「ユウイチ、凄いね。時枝さんのこと大好きみたい。餌も満足に与えて貰えなかったのに…」
「犬と交わっても問題ないよ。子犬のユウイチじゃあ、入口舐めるぐらいが限度だけどね。ふふ、それでも、快感は与えてあげられるよねぇ、ユウイチ」

ユウイチの舌が時枝の中に入れるよう、黒瀬が時枝の窄みを指で左右に広げた。

「お舐め」

ユウイチの舌先が、時枝の体内に入った。

「ヒィイイイッ、…ゆ、るして…」

時枝に言葉が戻ってきた。

「時枝のくせに、可愛い懇願するんだ」

ユウイチが時枝の孔に舌を出したり入れたりして遊び始めた。
ひくつき孔が面白いらしく、黒瀬が手をユウイチから離しても、尻尾を振りながら時枝の孔から離れようとしない。

「潤、生のオモチャだと思って、時枝のモノで、少し遊んでやって。捏ねたりしていいから」
「いいけど、後で、絶対浮気したって、言うなよ」
「ふふ、言いたくなるかも。じゃあ、私の目を見て、私のだと思って触って。私にしているのと、同じだから」
「…そんなこと、したら…、俺が…」
「感じる?」
「いいよ。可哀想な時枝の為に、時枝の身体経由で、私を感じて」
「…うん、じゃあ、黒瀬のだと、思って触るから…」

黒瀬が何をしようとしているのか、何がしたいのか、潤には分かっていた。
黒瀬の言葉通り、潤は時枝の中心をゆっくりと扱き始めた。

「いい年して、全くこの秘書は、…恐怖と罪悪感の区別も付かないんだから、ふふふ、他人と犬に遊ばれた罪悪感が恐怖心を煽っているってこと、いい加減、気付けばいいものをね、ユウイチ。自分が犬たちと遊んでやったぐらいに思えないものかね」

はい、子どもの時間は終わりです、と黒瀬が時枝からユウイチを離し、ベッドの下に置いた。
ユウイチは突然離されたことが不満らしく、キャンキャン吠えたが、黒瀬にメッと睨まれると、ク~ンとその場に耳を垂れて座り込んでしまった。
動物の本能で、黒瀬には逆らってはいけないと分かるらしい。
ユウイチが自分の尻からいなくなり、やっと解放されるのかと時枝に安堵が走ったが、甘かった。
ユウイチの存在から与えられていた恐怖と刺激が去ると、神経が潤から与えれる甘い刺激を敏感に時枝に伝える。

「…ぁあっ、…潤さま…、駄目ですッ…」
「イイって、潤。潤は上手だからね。時枝直ぐにイクんじゃない?」
「バカ…恥ずかしいだろ。…黒瀬、俺、分かってるから…いいよ…。遠慮しなくて…」
「さすが、私の潤は、私を一番理解してくれる。愛してるよ」

間にいる時枝の頭が、二人より沈んだ位置にある。
その頭の上で、黒瀬と潤が見つめ合い、唇を重ねた。
もちろん、その間も潤の手は時枝を責めることを忘れてはいない。

「ふふ、潤の口付けで、私も準備OKだ。これは、時枝と兄さんへの貸しだからね。後で返してもらうよ」

黒瀬がグッと腰を時枝の腰に押し当てた。

「どう、時枝? 私のが当たってるだろ? 兄さんよりは大きいはずだから、裂けたらごめんね」

最初から最後はソコまでするつもりだったのか、黒瀬はゴムまで用意していたらしい。
潤との口付けで興奮させた雄芯に素早く装着させると、腰の位置を下方にずらした。

「…社長…、嘘でしょ…ご冗談を…そんな…」

黒瀬の先端が、さっきまでユウイチが舐めていた場所を捉える。

「黒瀬が冗談で俺以外を抱くと思ってるの? 黒瀬…俺…、ますます惚れてしまいそう」
「私もだよ。君への愛がなかったら、時枝なんてどうでもいいのだから…潤…、時枝経由で私を感じて」

黒瀬の先端が時枝の中にめり込んだ。

「ァああうっ」
「兄さんと違う味もいいだろ?」
「…武史っ、…本気で俺を……」

時枝が地に戻っていた。もう、取繕うことも無理のようだ。

「犯(や)るよ? 犬たちよりも俺の方が残酷かもしれないから、覚悟しててね。大丈夫、ちゃんと感じさせてあげるから」

グググと、黒瀬が時枝の中にねじ込んだ。