秘書の嫁入り 夢(7)

「ひっ、」

驚き布団を剥ぐと、そこに存在していたのは……ク~ンと小さく鳴くまん丸お目々でモコモコの小動物……ユウイチだった。

「ん、ギャァアッ!」

叫ぶなり、時枝は身体を翻し、背後にいた潤にしがみついた。

「退けて下さいっ! ソレ、早くッ!」

潤の胸に顔を埋め、震えながら、後ろ手で時枝がユウイチを指す。

「時枝? 潤に何しているの。私の目の前でいい度胸しているよね」
「そんなことより、早く、ソレ、」
「ユウイチは、時枝と一緒に寝られて、喜んでるよ。ユウイチはもう、時枝とお友達だものね、ユウイチ」

ヒョイと黒瀬がユウイチを抱えると、潤にしがみついている時枝の背中にユウイチを沿わせた。
時枝の尿の匂いも味も知っているユウイチは、既に時枝の体臭にも慣れきっていて、ペロペロと時枝の浮き上がった背骨を舐めた。

「うっ」

ザラッとしたユウイチの舌に、悪寒が走り、時枝の皮膚が粟立つ。

「感じてるの、時枝? ユウイチ、もっと舐めておやり」

襲われた時と同じ感覚に、顔を舐められたとき同様、恐怖で自分を見失いそうになる。

「…社長…っ、…お願いですから…」

時枝の懇願など、無論黒瀬は聞くつもりはない。

「潤、時枝が意識飛ばさないように、ギュッと握ってやって」
「いいけど…後で浮気とか言うなよ?」
「ふふ、言わない。言うつもりなら、今ここに三人で寝てないよ。その代り、後で手は消毒してあげるから」
「…消毒って、洗うだけでいいよ。どっち握るの?」

竿か珠かと潤は訊いている。

「両方かな。ふふ、潰さない程度にね」

黒瀬のモノ以外、触ることに抵抗はあるのだが、潤は以前時枝に薬物で疼く身体を助けてもらった恩がある。

「時枝さん、ごめんね」

ユウイチの舌による攻撃で、失神寸前の時枝の股間に潤の手が伸び、珠と竿の付け根を両の手を使いギュッと握りしめた。

「ん、ぐっ!」

ことの外、潤の力が強かった。
痛みが走り、飛びそうになっていた時枝の意識が留まった。
時枝はユウイチの舌からも潤の手からも逃げられず、痛みと恐怖の狭間にいた。
その場から自ら逃げることも出来ず、時枝は額から冷たい汗を流し、震えるばかりだ。
もはや、懇願の言葉も出ない。

「恐いだけじゃないだろ。時枝、犬たちから蹂躙されて、何度も果ててたじゃないか」

DVDに映っていた時枝の真実。
けしかけられた犬に嬲られて、怯え失禁しながらも、時枝は何度も白濁のものをまき散らしていた。
時枝にしてみれば、自分の身体がどんな状態だったのか、どんな反応を示していたのかという細かい事など、覚えていなかった。
数人の外国人に輪姦され、オモチャで弄ばれ、犬と交わり、まさに便所扱いの地獄の数日だった。

「身体は忘れてないと思うけど? 恐怖が忘れられないのと同時にね」

忘れてしまいたい、快感も痛みもあるのだ。
それを幼い頃に父親によって与えられていた黒瀬は、容赦がない。
忘れようとするな、思い出せと言わんばかりに、ユウイチを嗾ける。
そう、この男は、潤を助けるときにも「中途半端は駄目だ」と、心に傷を負った潤をこれ以上ないというぐらい痛め付けた。
ユウイチを時枝の背筋に沿って尻の溝まで移動させた。 
ユウイチの舌が、時枝の尻の溝に入り込むのを見届けると、一旦ユウイチから手を離し、更に奥まで舌が届くよう時枝の尻を左右に割った。

「潤、手を緩めて」

黒瀬の命で潤の手から力が抜けると、止っていた血流が一気に時枝の雄芯を駆け抜けた。
痛みと恐怖でこちこちに固まっていた時枝の身体が、一瞬緩んだ。
その隙にユウイチの舌が時枝の窄みへ届いた。

「ぁあっ、」
「ほら、ユウイチ、好きなだけ舐めなさい」

ユウイチのざらつく舌が時枝の襞を舐め始めた。

「ヤ、…ヤ、」

時枝が目を見開き、目の前の潤に助けてくれと訴えた。

「潤、また握って」
「ごめんなさい、時枝さん」

現実から逃げられないように、また時枝の前が潤の手によって拘束された。