★文庫の帯プレ第二弾…制作中。。。ちょっと遅れていますが、お待ち下さいネ。★
「こら、ダイダイ!」
大喜の勢いが良すぎて、時枝は押し倒されてしまった。
「俺っ、大好き! 時枝さんが好き!」
端から見れば、女装男子の百合シーンにしか見えないが、幸い、他人の目はなかった。
「分かったから、落ち着いて!」
大喜の濡れた頬が、時枝の頬を撫でる。
頬ずりというやつだ。
「無理! 今、俺、時枝さんが好きだって身体で表現したいの!」
「…身体でって…いや、それはっ、」
これは貞操の危機なのか? と時枝が焦る。
「俺、時枝さんのためなら、何でもできる。本当だよ?」
何でも? この体勢で何でもって…っ
「ダイダイ、今は私のためじゃなくて、その子どもと母親のために何でもしてあげないと」
「はい!」
「彼女には時間がありません。さっさと食事を済ませましょう」
「一分。一分だけ、このままで…」
時枝の上で大喜は動かなくなった。
「…成人しても、甘えん坊ですね」
大喜は泣いていた。
時枝がショックを受けてないはずはないのだ。
だが、それを見せずに母親と子どもの心配しかしない時枝の心を推し量ると、自分が告げた内容の残酷さが身に染みていた。
―――ごめんなさい。本当にごめんなさい。
ストップウォッチで計測したようにジャスト一分。
大喜が時枝から離れた。
「――あ~、腹減った! 食事を頼みます」
時枝が辛そうな顔をしないのに、自分が同情するのは失礼だと、大喜が気持ちを切り替える。
「ダイダイ…アハハッ、何ですか、その顔! 汚いっ、アア…お化けです! ハハハ」
席に戻った大喜の顔を見て、時枝が腹を抱えて笑う。
涙で崩れたメークで、本当に汚かった。
「…酷いっ、…アハハ、時枝さんも。片方だけ…」
濡れた大喜の頬で擦られた側だけ、時枝のメークも崩れていた。
「…ダイダイの方が、酷いに決まってますっ、アハハ…お腹痛い…ハハハッ」
馬鹿笑いする時枝の目の端に光るものがあったが、大喜は気付かないフリをした。
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