その男、激震!(134)

「that’s right!」

と大喜が答えた。

「なにが、ライトだ。巫山戯るなバカッ! 路肩に寄せろ! 後続車にカマ掘られるぞ!」

大喜が止まりかけた車を路肩に寄せた。
寄せたところで、完全に止まった。

「…前言撤回する。お前はバカだ。ガソリンの残量も確認できない大バカ野郎だ」
「俺が悪いのかよ!」

いわゆる逆ギレだ。

「ああ、悪い。キーを付けたまま、車から出ろ。近くにいるヤツに、引き取りに来させる。俺たちはタクシー拾うぞ」
「はあ? キーつけっぱで、車捨てて行くなんて、出来るか!」
「佐々木と車、どっちが大事なんだ?」

シートベルトを外しながら、勇一が大喜に訊く。

「なんだよ、その究極の選択!」
「選択? 選ぶまでもないと思ったが、お前は惚れた男と車を天秤にかけるんだな。惚れた腫れたで大騒ぎしてたが、大したことね~愛情だ。最悪の状況を考えたから、佐々木の心配してたんじゃね~のか? もし、想像通り佐々木の身に何か起きていたら、どうするんだ? ちんたらロードサービスを待ってるつもりか?」

勇一に佐々木への愛情を疑われた大喜は、

「うるさい! 大したこと大有りの愛情だ!行くぞ! ちんたらするな!」

と、シートベルトを素早く外し、勇一より早く車の外に出た。
そして、流れているタクシーを拾おうと手をあげる。
勇一は着流しの袖から携帯と取り出すと、本宅に連絡を入れ、車を引き取りに来るよう手配を命じた。
桐生の者が先に着くか、警察のレッカー車が先か、それとも盗まれるか、ここに時枝がいたならば、勇一は賭を持ち出しただろう。
一部の人間しか知らないが、時枝は賭け事が好きなのだ。
タクシーを捕まえようと奮闘している大喜の横で、勇一は「俺なら盗難に掛けるな」と大喜が憤怒しそうなことを考えていた。

一方、黒瀬宅では、佐々木と木村が芋虫になっていた。
正確には下着一枚の身体を縄でクルクルに縛り上げられ、濡れたエレベーターの床に転がされていた。

 

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