その男、激震!(106)

「――卑怯者」
「それ二回目だぞ、勝貴」

勇一が時枝と自分の間にある薄い掛布をズルッと抜いた。

「変態!」

下着ぐらい穿いているかと思えば、勇一はまだ裸だった。
肌が密着したのは言うまでもないが、重なったままの勇一が時枝の尻の間に自分の雄を埋めこもうとしている。

「そんな俺が好きなくせに」
「…無理だからな。挿れたら絶交する」

勇一が「ぷッ」と吹き出した。

「お前、時々、女子高生みたいなこと言うよな。いい年した男が『絶交する』って、脅し文句に使うか? アア…感動する…勝貴の側にいるって実感できる……」

馬鹿にするな、と時枝が反撃に出ることはなかった。

「――勇一…」

それは、声色で時枝は勇一が涙ぐんでいることを悟ったからだ。

…俺だけじゃない。
…コイツも幸福を噛みしめてたんだ…

「素尻で我慢しとけ」
「すしり?」

鼻声の勇一が耳慣れない言葉に首を傾げた。

「素股の尻バージョン。溝に今、挟まってるからそのまま動いたら、場所的には股じゃなくて尻だ。だから素尻」
「了解」
「って、勇一、早急過ぎるだろッ」

勇一の雄が尻の溝を押し広げ動き出す。

「ヤバイッ、気持ちイイッ!」

もう勇一は涙ぐんではいない。
感想を活き活きと口にする勇一に、ヤバイのは俺の方だと時枝が焦る。
勇一の先端が既に濡れているのでよく滑る。
滑りすぎて、ツルッと下まで行きそうだ。
そうなるとそこに位置しているのはグジュグジュに腫れ上がった『孔』だ。

「…焦るなッ、勇一ッ!」
「分かってるって。勝貴も楽しめ」

勇一の指がベッドと時枝の間に忍び込み、時枝の乳首を探り当てた。