その男、激震!(101)

頬を染めた時枝が、ゆっくりと勇一の胸から顔を上げる。

「…勝貴…、ワルィ、俺、今、人間の理性どころか獣の本能超えた」

勇一が乱暴に時枝を押し倒すと、時枝の太腿を掴み、パッと左右に開く。

「取り敢えず、挿れさせろッ」

一八〇度に開かれ露わになった時枝の秘部に、勇一が自分の先端を押し付ける。

「――ッ、…」

前戯もなく勇一が時枝をこじ開け、押し込む。
滑りの悪さを力業で勇一が突き進む。

「…ッ、ゆ、…う、いっ、ち…」

激痛に顔を歪める時枝が、瞼を必死で持ち上げ、薄目で勇一に止めるなと訴える。
止めるつもりなど毛頭ないと、凶器と化した勇一の雄が容赦なく時枝の奥を暴こうとする。

「っ、…っく…」

歯を食いしばる時枝が、無理矢理笑みを浮かべ、

「――処女、…喪…失…ッ…」

と、荒い息の隙間から言葉を洩らす。

「死にそうな顔して笑わせるな。裂れ痔の間違いだろ。餓えた獣に血の匂いを嗅がせやがって、後悔するぞ」

抽送する勇一の根元に生温かいモノがまとわり付く。

「…後悔、………させてみろ…よ…」
「上等!」

黒瀬と潤の流血を厭わない獣じみたセックスに目くじら立て、二人に説教をしていた時枝だったが、今、まさに自分がそういうセックスを受け入れている。
勇一が乙女と思うのも無理はない。
時枝の心情は、まさに乙女そのものだった。
勇一が激しく自分を求めた結果なら、裂けようが流血しようが構わない。
後悔などするわけがない。
自分に欲情する勇一に、激しく襲われたいのだ。

「…ぁあ、っ、あ、勇、いち…っ」

血なのか、分泌物なのか、滑りの良くなった時枝の中を勇一が容赦なく動く。
自分の快感を優先させた勇一の乱暴な動きが、時枝には嬉しかった。

「…ゆ、ぅう、ぁあ、い、ちっ」
「ああ、俺は勇一だ」
「…あっ、たり…前だっ」
「待たせたな」

訪ねていった福岡を追い返され、待て、とお預けを食らっていたのは自分だと勇一は思っていた。
だが、逆だった。
勇一が時枝を待たせていたのだ。

「…分かって…るならっ、…ぁつ、…もっとぅ、…もっ…と、…ぁあっ、はっ、…あっ…」

シーツを掴んでいた時枝の手が勇一の背中に回る。

「言われなくても、もっと喰らうぞ」

――喰われているのは、どっちだか…
擦る度にドロドロになっていく時枝の中は、貪欲に勇一を飲み込もうとする。