「はああああ? 何だとぉおおおっ、」
今にも勇一に大喜が跳びかかりそうな勢いだ。
「わめくな、くそガキ」
「ですが、組長、説明を願えますか」
「説明って、お前のその異臭漂う下半身についてか?」
「…ご存じなら、それも含めて」
濡れたままの下半身をモゾモゾさせながら佐々木が答えた。
「…オッサン、夢精か?」
「……情けないが…、そうらしい」
「半分当たりだな」
「…どういう意味でしょうか?」
「くそガキが弄ってたからな」
「俺?」
「ああ。取り憑かれたように必死でまさぐってたから、見物させてもらった」
「…シュウちゃん、置いてたのに…」
「欲求不満のガキに意味ないだろ。初めはぬいぐるみ相手にのし掛かってたぞ」
「嘘だ…」
「ああ、嘘だ。初めから、佐々木狙いだ」
「…オッサン…、ゴメンな」
「……いや、…いいんんだ、ダイダイ。そのなんだ、夢の中に、勝手に登場させてしまったし…。触ってくれてありがとうな、ダイダイ」
「――オッサン」
懐中電灯の光をスポットライトのように浴び、佐々木と大喜が二人の世界に突入しはじめたのを、
「盛り上がるなら、脱げ。絡め、合体しろ」
と、勇一の声が割り込み邪魔をした。
現実に引き戻された二人が勇一を睨み付けた。
「…組長。そろそろ、ご説明を。幾ら組長でも、寝室に無断侵入は行き過ぎじゃないかと」
「ほう、佐々木。俺に意見するのか?」
組長面で勇一が返した。
「意見ではなくて、お願いしていますが」
「お願いなんかするな、こんな奴に! 俺とオッサンの愛の巣に勝手に入ってきて、このド変態野郎!」
「全く躾の行き届いたくそガキだ。武史風に言うなら、くそザルが」