「ふふ、イかせない」
黒瀬の手が潤の根元を握る。
「ぁう、やぁ、」
快感マックスのところで、堰き止められ潤の頭に白いもやが掛かった。
「昇天させてやればいいものを」
この鬼畜め、と勇一は潤に同情していた。
「それで、潤の言った通りなんですか?」
「ああ。可哀想なお前の嫁の言ったことは正解だ。あいつらヤってないんだと」
「誰を殺るんです? 小猿に人殺しは無理ですよ」
「お前、ソレ、わざとだろ。セックスしていないらしい。――そのぅ、まあ、俺のせいみたいだ」
「それで、時枝に二人のベッドに忍び込んでゴリラのを掴んで、何が何でも小猿の中に挿れてこいと命じられたんですね」
「誰が佐々木のチ●●なんか掴むかっ!」
「大きな声を出さないで下さい。だいたいゴリラと小猿のことで追い返されたのなら、兄さん、どうしてうちに来たんですか? 訪問する場所が違うと思いますが。私と潤の邪魔をしたかっただけですか?」
「んな、わけないだろうが。相談だよ、相談」
「結構です。お引き取りを。いかなる相談にも乗るつもりはありません」
「相談内容をいう前に断るなよ。冷て~な」
「内容なんて、一つしかないでしょう。二人をセックスさせるにはどうしたらいいか~ってことでしょ?」
「…まあ、そうだけど。佐々木の気持ち考えると、俺が出しゃばって二人の間に入っても…」
佐々木との会話はギクシャクしているし、勇一と大喜が二人きりになるのは、佐々木の目が光っているので難しい。
第一、二人の閨の心配を勇一がすること自体、佐々木からしてみたら大きなお世話だろう。
どこからどう手を付けたらいいのか、勇一には策がなかった。
「自分の償いを人に押しつけないで下さい。ふふ、桐生の三バカがどう決着を付けるのか、楽しみにしてますよ」
「三バカ? それは俺と佐々木と大森のことか?」
「他に誰がいます?」
「ふん、そうかもしれないな。邪魔したみたいだし、今日のところは反論は止めておく」
「みたい? 何いってるんですか。邪魔です。今もまだ邪魔しています。サッサとお引き取り下さい。潤が、イけないのは、兄さんのせいですよ。あなたに潤のイく姿は勿体なくて見せられませんから」「全部俺のせいかよ。――続きを楽しんでくれ」
ちっ、と勇一が舌打ちの音を残し、寝室から消えた。