その男、激震!(29)

「…ぁ、…いやっ、…ふっ、」
「して、って強請ったのは潤じゃない?」
「ひ、…やめろっ、て…あ、…ぁ、」
「痛いの大好き潤には、こっちの方が辛いよね」 

潤の身体に、黒瀬が羽根を這わせていた。 
目に布をまかれ、黒瀬の顔も羽根の位置も確認できない潤は、不意に移動する羽根のくすぐったさに悶えていた。

「く、ろ、…せっ、…ひっ、…我慢、できなっ、…い」 

黒瀬の言うように痛みより数倍辛い。

「じゃあ、緩和に痛みも与えてあげよう」
「っ、」 

チリッとした尖った痛みが、左乳頭に走った。
針だ。

「もうトロトロだね。潤のココ」 

今度は中心の小さな穴を黒瀬が爪で押し開いた。

「やっ、…くろせっ、…本当にっ、…許してっ、」 

痛みを与えながらも、羽根の動きが止まることはなかった。
これ以上は、耐えれそうもない。
二つの相反する刺激に潤は目隠しに巻かれた布をビショビショに濡らし、懇願した。

「ふふ、潤の初々しさはいつまでたっても変わらないね。ロンドンの夜も今も同じだ」 

羽根の動きが止まった。
そして、乳頭から針が抜かれ、涙で濡れた布が目から外された。

「――黒瀬、黒瀬っ、」 

解放された潤が、黒瀬に抱きついた。
全身を黒瀬に擦り付けるようにギュッと腕に力を込め抱きついた。

「…ごめんっ、…黒瀬っ、…ごめんなさい」
「どうして潤が謝るの?」
「……お仕置きなのに、…我慢できなかったから…」
「ふふ、我慢できない程の刺激だったんだ。小道具にちょっと妬ける」
「…ばか。…我慢できない、のは…、それだけじゃない」 

潤が腰を浮かせ、黒瀬の先端に自分の蕾を押し当てた。