その男、激震!(27)

 

濡れた指が潤の肌を滑る。
先程揺らした胸のピアスは素通りし、臍の窪みを越え、そこから指は身体の背面に向かって方向を変えた。
程良く締まった丘を越え、まだ少し湿りを帯びた谷の底を這い、そしてローターのヒモに触れた。
だが指の目的地はヒモではなくその先を飲み込んだ入口だった。
そう、出口ではなく入口。
排泄行為さえ黒瀬と潤の間では、メイクラブになる。
医学的には有り得ないが、潤の気持ち的には、自分の身体には黒瀬の愛を受けるための入口しか存在してなかった。
準備完了。
解す必要がないことを指の腹が感じ取る。
潤は指を内部に滑り込ませた。

「…はやく、…黒瀬」

早く来てくれないと、内部に置いた指が勝手に動いてしまう。
だが欲しいのは自分の指ではなく黒瀬が与えてくれる刺激。

「ぅわぁ、ぁ」

急にローターの振動が強くなった。

「私の出番がなくなりそうだね、潤」

黒瀬がバスローブを肩に羽織っただけの姿で寝室に現れた。
手にはコントローラーを持っている。

「…黒瀬ッ、…こっちに早く」
「ふふ、どうしよう? 今夜はお仕置きだからね」
「…朝から、…ずっと、待って、た」
「だから?」
「…もう、やぁ、待てない…コレ、…抜いて」

潤の膝がガクガクと泣いている。
仕事中にも黒瀬に振動を『強』にされたが、まだその上のMAXがあったらしい。
上手く下に屈めればいいのだが、後ろから指を挿入したため、体勢が不安定でこのままだと鏡に向かって倒れ込みそうだった。

「まずは、指からじゃない?」
「…む、り」

ローターの振動が強すぎて、入口も内部も揺れが激しく、下手に指を動かすと内壁を傷付けそうだった。