その男、激震!(212)

そこからあとの出来事が木村に美しい花に嫌悪を感じるというトラウマを残した。
ガウンを剥がされたかと思うと、

「ちょ、待て! 待ってくれ!」

何故か金田のリードでダンスを踊らされていた全裸で右、左とクルクルとターンさせられ、目が回る。
流れているマドンナの曲のリズムは無視だ。

「…気持ち…悪い…」

木村が吐きそうになったときに、金田が手を離した。
自分の意思とは関係なく足が勝手に斜め方向に進む。
思考もままならない程、身体全体がフラフラだった。
本物のゴリラと人間ゴリラ(←もちろん、佐々木)と一緒だった船旅の疲れもある。

「危ないですよ」

ステージからあわや落ちるというところで、金田が木村を引き寄せる。
ホッと安堵を覚えた木村の唇がじんわりと温かい。

『…このっ…離せッ!…おい………』

金田の唇に薬が塗られていたのか、木村の意識が半分とぶ。
全部でなく半分だ。
浮遊状態の感覚。
理由もなく幸せな気分。
ぼんやりした視界。
身体中から力が抜ける。
金田の抱き寄せられてなければ、木村は床に崩れただろう。

「昔を思い出しますね。あの時の主役は大森君でしたが、今日はあなたですよ。懐かしさで胸が躍ります」

木村の耳元に金田が息を吹きかけるようにして語り掛ける。
この変態が…。
絶対に、ゆるさねぇ…。

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