「さあ、ここからが本日のメインイベント。司会の私の手で、小花が艶やかな華に変わる瞬間をお楽しみ下さい」
木村にとってはかなり物騒な文言が観客に投げかけられていた。
言葉の壁で木村が理解できたのは「メインイベント」だけだった。
俺がメイン???
若頭より俺の方が貧相な身体だ!
変に客を煽るなよ…失笑されたら、それはそれでショックだ……
間違った方向で木村が落ち込んでいると、ステージのライトが消えた。
「待ってくれ! まだ心の準備がっ!」
男二人に両腕を組まれていた木村が、ステージ中央へと引き摺られていく。
「心の準備? そんなものしても無駄ですよ」
近寄ってきた金田が、木村の耳元で広東語で囁く。
金田のネットリとした吐息に木村の肌が粟立った。
「何て言ったんだ!」
「愛の囁きですよ。脅える仔猫ちゃん」
今度は日本語で返ってきた。
「てぇ、んぐ!」
テメーと言い終わる前に、口を手で塞がれた。
「シッ。ライトが点きますよ。ショーが再開されます。私が全てヤってあげますからお任せを」
突然視界が明るくなり、観客席から歓声があがる。
両腕は男二人に組まれたままだ。
佐々木は自分で脱いで場を盛り上げていた。
木村も自分でなんとかするしかないと思ったが、腕は拘束されたままだ。
振り解こうとしたが、力強く組まれた腕はビクともしない。
おい、どうなってるんだ。若頭の時と違うぞ、
と進行役の金田に目で訴える。
「だから私がヤってあげますから」
金田が木村のガウンに手を触れる。
同時にマドンナの「ライク ア バージン」が流れ出した。
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(1)& (2)
Thanks a lot!
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