その男、激震!(205)

 『その男、激震!5』(時枝日記も含まれています)中央書店コミコミスタジオさまにて、お求め頂けます

「…でも、…まだ、俺…時枝さんと話がしたい…」
 
そして、潤が答えた。
しかも珍しく黒瀬にノーを突き付ける形で。

「話だけじゃなさそうな雰囲気だったのは気のせい?」
「それは、ユウイチが…それで、時枝さんの身体が…」
「は~」
 
と黒瀬が腕を組み、時枝ばりの深い溜息をつく。

「潤、優しすぎる。こんなド変態の身体の心配をして、潤の手に変な菌が付着したらどうするの?」
「黒瀬、菌って、それはちょっと言い過ぎ」
「潤、時枝の精液が綺麗だと思ってる? ココナッツミルクとは違うんだよ?」
 
さすがにココナッツミルクとは潤も思ってないが、時枝の精液を見たことも触れたことも過去にはある。
その場に黒瀬ももちろん居た。
その時に、今みたいな発言は飛び出さなかった。

「ココナッツミルクとは思わないけど…ユウイチが好きなミルクではあると思うし、菌はないと思う…精子は菌じゃないだろ? 汚いものではないと思う。黒瀬のを汚いって感じたことなんかないよ? 黒瀬は俺の精液を汚いって思ってたのか?」
「ゴホン。潤さま、少し論点が…。社長は一般的な精液についてではなく、私限定でおっしゃっているのだと思います」   
「その通り。ド変態が一番よく分かっているじゃない。私が潤のミルクを汚いと思うはずない。毎日食してもいいと思っている。ふふ、実際、毎日口にしてるけど」
「…バカ…。時枝さんの前で…照れるだろ」
 
何を今更、と時枝は思ったが、二人のやりとりを耳にするのも久しぶりなのでそれを楽しむ自分もいた。

「ちなみに、私は自分の精液が汚いとは思っていませんよ。菌など持っていません。だからといって、潤さまになんとかしてもらおうとかも、もちろん思っていません。ユウイチが…コラ、ユウイチ、今は駄目…あっ、…ゴホン、失礼しました。ユウイチが遊びたいなら自由にさせてやろうと思っているだけです」
「は~。ほら潤、これがド変態の本性だから。優しい潤の申し出より、獣と戯れていたいというド変態。それでもまだ時枝と一緒にいたいの?」 
「…ごめん、黒瀬」
 
シュンとした潤に黒瀬が大袈裟に肩を竦めてみせた。

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