★コミコミスタジオさまにて通販中。黒桐Co.企画応募用台紙付のタイトルは「その男、激震4」です★
勇一が時枝の言葉を韓国語でサランに伝え終わると、彼女が時枝に、
「はじめまして。わたし、サラン、です」
と日本語で自己紹介をした。
「イル…は『勇一』が本当の名前ですか?」
たどたどしい日本語で、サランが時枝に訊いた。
「どうぞ、イルと呼んでやって下さい」
時枝の返事にサランは勇一を見た。
「俺はサランのイルだ」と、勇一が頷く。
「近くに行ってもいいですか?」
時枝がサランに訊く。
「はい」
勇一は自分が立っていた場所を時枝に譲った。
「勇一が…イルが今、生きて存在しているのは、全て、あなたのおかげです。本当にありがとうございました。あなたの前から突然消えたことを、心からお詫び申し上げます。そして、この男を探し出してくれたこと、本当に、本当に心から感謝します。あなたとこの男の愛の結晶については、何の心配も要りません。私の命と引き換えにしてもこの先、守り抜きます。私だけじゃなく、この男に近い人間は、みんなあなたとお子さんの味方です。安心して治療に専念して下さい。勇一、通訳!」
勇一が通訳している間、時枝は「適当に訳すよな」と睨みを利かせていた。
時枝の言ったことを理解したサランの目が潤む。
サランには伝わっていた。
時枝の言葉に時枝の勇一への深い愛情があることを。
その愛情が自分や息子にまで注がれていることを。
サランが時枝の右手を両手で握った。
直に時枝に触れ、それは確信に変わった
「ありがとう……ありがとう…うれしい、ありがとう…ごめんなさい…ごめんなさい…」。
時枝の左手が重なり、二人の両手は固く握られた。
その上に二人から暖かい水分がポタポタと降る。
「日本語、間違ってますよ。ごめんなさい、は間違いです。謝るようなことを何一つしてないじゃないですか…あなたには感謝してもし尽くせない…」
言われなくても勇一が時枝の言葉をサランに伝える。
相変わらず佐々木のオッサン一筋のダイダイです。時枝のオヤジは(あ、叱られる!)時枝さんは、「漢」だよな… ランクに参加中です。下のランクバナー(1)(2)で応援〔ポチ〕頂ければ幸いです。オーエン頼みます!
(1)& (2)
Thanks a lot!
トラコミュ オリジナルBL小説・・・ストーリー系 |