その男、激震!(190)

★コミコミスタジオさまにて通販中。黒桐Co.企画応募用台紙付のタイトルは「その男、激震4」です★

 

「ダイダイ! どうしてここに?」
「そんなの決まってるじゃん。黒瀬さんからのご指示っていうか、命令。帰りが遅いから心配だったんじゃない? それとも黒瀬さんのアンテナが浮気レーダーを察したか」
「そんなことあるはずないだろ! 黒瀬が俺を疑うなんて有り得ないっ」

この会話で園田は黒瀬と潤の本当の関係を理解した。

「潤さん、唾飛ばして俺に反論しても意味ないよ~。今、自分がどういう行動をしているか自覚してる?」
「行動?」

何のことだ? という顔を見せる潤に、大喜から時枝ばりの溜息が漏れる。

「あの、手ではないでしょうか?」

園田が潤に助言する。

「手? 手…わっ、手!」

慌てて園田に重ねていた手を外す。
潤が分かりやすい行動に、大喜から苦笑が漏れる。

「なんか、悪いことしたようで…すみません」

園田が恐縮しながら、潤の肩から手を降ろす。

「悪いコト? 誤解を与えるような表現はやめて下さい! ダイダイ、何もないから! 悪いコトなんか一切してない!」

潤が慌てる。

「潤さん、落ち着いて。園田さんの言ったのはそういう意味じゃないと思う」

大喜の言葉に、潤が我に返る。

「…大人気ない反応をしてしまいました。こちらこそ、申し訳ございません。今日は色々ありがとうございました」

潤が園田に頭を下げた。

「頭を上げて下さい。仕事をしただけですよ。子どもの引き渡しについては、またご連絡下さい。それまでうちの園の方で責任を持って預かりますので」
「はい、桐生から連絡を入れさせます。よろしくお願いいたします」

明日にでも引き取るんじゃないだろうか。
潤はそんな気がした。

 

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