その男、激震!(182)

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文庫帯企画第三弾、月末か10月初めに発送予定です。

 

 

「・・・―――うぅ~~~だがな」

佐々木が喉の奥から声を絞り出す。

「俺はボンを…ボンの根っこの部分を信用してる…確かに俺たちより極悪だし、桐生の人間など虫けら以下に思ってるかもしれね~けどな、俺にダイダイを裏切るような真似をさせるとは思えね~…」
「甘い! ショーでケツ掘られても、裏切りにはならないでしょ! 浮気じゃないんだからっ。女性じゃないし事故扱いだ。アア…俺…なんで男に生まれたんだろ。きっと無理やりでも強姦罪も成立しない。そもそもここは日本じゃない。客じゃない…若頭にケツを掘られる~~~~ッ。イヤだ、絶対それはイヤだ―――ッ」

と、木村が目を潤ませた。
興奮と嫌悪での涙が、佐々木には別のものに感じられた。

――コイツ、もしかして、イヤイヤ言いながら俺とどうにかなることを期待してるんじゃ…

「落ち着け、木村。男が簡単に涙を見せるな」

それをお前が言うのか? という台詞を佐々木が口にする。

「いいか。ここが、もし、お前の言うような脱ぐだけじゃない小屋だとしてもだ。ボンが俺たちをここに寄越したのは、きっと、俺たちならそれ以上のことは回避できると思って下さってのことだ。それに期待を裏切るようで悪いが、俺はダイダイと朝勃ち以外では勃起しない。だからお前が俺の前にケツを突きだしても無理だ」
「…逆だって……ある。俺が…若頭を…」

木村はただ反論したかっただけだ。
これだけ訴えても自分達の状況を楽観視する佐々木の言葉を肯定したくなかった。

「木村、てめぇ…やはり俺のことが…。俺のケツに突っ込むつもりか? 俺のケツに欲情して勃起するほど俺を~」

佐々木はやっと自覚した。
間違った方向で自覚した。
脱ぐだけで済まないコトが起きるかもしれない危険性を。

「気持ち悪いことを言わないで下さいッ!若頭の汚いケツに俺が欲情するわけないでしょっ! でも、もし、変な薬物を使われたら? 俺の意思に反して…とか…」
「薬物で勃起しても俺のケツを突くにはお前の意思が必要だろ。お前…その気が…」
「あるわけありません」

と木村ではない別の声が、佐々木に返答した。

「――お前は…」
「…どうして???」

佐々木と木村が揃って声がした方向を向く。

 

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