その男、激震!(181)

★J庭新刊通販中。黒桐Co.企画応募用台紙付の新刊は激震4のタイトルです…★

文庫帯企画第三弾の応募、15日で締め切りました。ご応募ありがとうございますm(__)m

 

 

『おつかい途中に、今回の手配でお世話になった香港の方々へのお礼をするように。ステージでちょっと脱ぐだけで済む簡単なお礼だからよろしく。くれぐれも私の顔に泥を塗ることのないように』

タイピングされた活字のメッセージの中に佐々木と木村の名前はなかった。
そして差出人の名も。
だが間違いなく黒瀬から佐々木と木村宛だとわかる内容だ。

「――それ、なんて、書いてあるんですか…いや、結構です。知りたくありませんッ」

一昔前の少女漫画のヒロインのように、木村が自分の耳を手で塞ぎ、首を振る。
大丈夫だ、問題ないと佐々木が手を振ってみせる。
木村が手を耳からそっと恐る恐る外した。

「…俺、勘違いしてましたか? もしかして、労(ねぎら)いの言葉とか?」
「いや違うが、ボンにしては大したことがない。手配で世話になったからお礼しろとある」
「お礼? …お礼を言えばいいと…?」
「行動で示せってことらしいが、簡単なことだ。ステージでちょっと脱げばいいらしい。脱げというからには服だろうが、それぐらい別に問題ないだろう」
「やだやだ、俺には何も聞こえなかった。問題大有りだ。あんた、やっぱ、めでてぇよ」

再三になるが、木村はかなり疲れていた。
声に載せてはならない心の声まで言葉にして発してしまった。

「いい加減にしろッ!」

佐々木の一喝と共に、木村の頭に衝撃が走る。
頭突きをくらった木村が普段みせない反抗的な目付きを佐々木に向けた。

「いい加減にするのは、若頭です! 何が大丈夫なんですかっ! ストリップしろと言われてるんだ! こんな怪しい場所に連れてこれられて、脱ぐだけで済むと本当に思ってるとしたら、相当な平和ボケですよ! 桐生が係わっている小屋なら『本番』はないですけど、もっと酷い組や地下組織なら普通に客を舞台に上げて本番ショーやってますよ。知らない男や女に襲われてもイイって言うんですかっ!」

捲し立てた木村に対し、佐々木は呆気にとられすぐには反論できなかった。

 

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