その男、激震!(168)

★文庫の帯プレ第二弾…制作中。。。ちょっと遅れていますが、お待ち下さいネ。★

 

「アホか、すまないって謝ってるじゃないか! 謝るなっ! 俺を馬鹿にしているのか? あ? 俺がいつ謝罪を求めた。この件といつもの浮気と一緒にするな、この度アホ」
「…いや、謝罪できないことを、すまないって言ってるだけで…謝罪はしていないから…あと、いつもの浮気って…俺、浮気なんか…」
「細かいことをぬかす男は最低だ」
「…はい。最低です。ごもっともです」
 
時枝が床に下り、勇一の前に座る。そ
れから、勇一の両肩に手を置き、

「いいか、彼女には時間がないんだ。お前がまずしなければならないことは、彼女に会うことだ。後のことは心配いらない、子どもは責任を持って育てると安心させてやれ」
 
頼むと言わんばかりに語った。

「…会っていいのか?」
「お前は屑か? それを俺に訊くこと自体が間違っている。お前を愛し、お前の子を一人で産んで育ててくれた。命を削ってお前に子どもの存在を伝えようとしたんだ。そんな女性を大事にできない男は屑だ。間違っても俺が彼女を疎ましく感じていると思うなよ」
「…勝貴っ…」
 
勇一が下を向く。
グッと奥歯を噛みしめ、込み上げてくる感情と戦う。
過去の自分を愛してくれた女の存在。背景のわからない男を愛し、子どもまで産み育ててくれた。
目の前に座る男は、その存在を否定も拒絶もすることなく受け止め、道を間違えないように照らしてくれる。

「彼女に対する同情の涙なら流すな。俺に対してもだ。だが、彼女と子どもと俺に対する愛情の涙なら、泣け」
「…勝貴ぃ~…ルーシーの格好で…カッコイイこと言うなよ…っく、勝貴ぃ~~~~っく、…俺ッ…、俺ッ………」
 
勇一が時枝に縋り付いて涙を流す。
大粒の涙が勇一の頬だけでなく時枝の肩も濡らしていた。

「彼女のためにも、俺たちは立派な親にならないとな。早く俺もルーシーじゃなくて時枝勝貴として桐生に戻りたい。それが無理ならルーシーのままでも家政婦かベビーシッターで戻れればいいんだが…」
「……ルーシーと再婚してもいい…っ…」
「それもありか」

桐生に戻れるなら何でもアリだと時枝は思っていた。

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