その男、激震!(210)

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応募期間11月5日~12月24日

『ジャパニーズタツー最高!』
『褌、ワンダフル』
『そそる~~~』
『セクシー』
『観音様~~~』 
 
と、広東語と英語で歓声が飛び交う。
男性を好む男性客だけではないらしい。
女性も多い。
身なりから男女ともいわゆる富裕層だと推測できる。
グリーンの息がかかっている場所なのは間違いない。
観客は佐々木の背中に入る刺青に興味津津らしい。
西洋のファッション的なタトゥとは全く違う刺青。
引き締まった背中に馴染んだ観音像と褌の赤のコントラストに客は官能的な美を感じてるようだ。
歓声とスポットライトを浴びることで、佐々木は徐々に興奮していった。
気分の高揚にまかせて、仁王立ちだった佐々木が次々とポーズを決めはじめる。
ストリッパーというよりボディビルダーのポージングだったが、素人臭いその格好も、何故か客には受けた。
ステージをとりしきっていた金田が、

「日本の真珠をご鑑賞下さい」

と言うと、佐々木が褌をスルッと解いた。

『ブラボー!!!』
『ファンタスティック!』
『素晴らしいっ!』
『きゃー、大きい! 触りたい~~~』
 
真珠入りのボコボコした竿を「俺の宝をしっかり拝みやがれ」と佐々木が腰を突きだし晒す。
客の熱い視線が一点に集中する。
その視線に佐々木の気分が昂揚しても、性的興奮を覚えることはなかった。
裸になるくらいなんだと羞恥もない。
勃起してなくても堂々とした一物に観客の歓声と拍手が続く。
その舞台袖ではガウン姿に目隠しをされた木村が、両腕を男二人に組まれ立っていた。
佐々木に歓声があがる度に、逃げるなら今だ、と脳が木村に助言する。

これだけウケてるなら、若頭一人で十分だ。
俺が出て行く必要はないだろ。
俺まで裸になる必要ある? 
ない! 
ないない! 

「セクシーな日本の真珠、ありがとうございました。皆さま、拍手でお見送り下さい」
 
金田の口から広東語で告げられたそれを木村が理解したわけではないが、佐々木の出番が終わったことはわかった。

 

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