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「これが、俺の子か…」
「悪夢を見ているようです、兄さん。可哀想に…そっくりです」
「可愛い!」
男が――東亜探偵事務所の所長、園田が、一通りの経緯を説明後、一枚の写真を取り出すと、男の前に座る三人が三様の反応をした。
勇一は、口を半開きで写真に魅入っていた。
黒瀬は写真を勇一を見比べ、本当に残念そうな顔をしている。
潤は『嘘! 可愛い可愛い』と女子のようにはしゃいでいる。
口をやっと閉じた勇一が、園田を見据え、また口を開く。
「鑑定をする必要はないが、この子の戸籍の関係で必要なら受けよう。どちらにしろ、俺が引き取る。大事に育てる。口うるさい教育係というか、母親代わりもいる。ヤクザの家だが、どこに出してもおかしくない子に育て上げてみせるから安心して手続きを頼む」
勇一が園田に頭を下げた。
「兄さん、どこに出してもおかしくないって、女の子じゃないんですから。出す必要はないでしょ」
「出て行った人間がよく言うな」
「それに実質的な手続きは探偵さんじゃなくて弁護士でしょ。それは顧問弁護士にやらせましょう」
「そうだな」
黒瀬の言葉を勇一はあっさりと肯定した。
「時間がおしい。行くぞ」
勇一は立ち上がり、園田の腕をとった。
「行くってどこに?」
園田の問いに、
「彼女のところに連れていけ。今すぐだ」
「私も同行させて下さい!」
何故か潤が声をあげた。
「秘書さん、仕事はどうするの? まだ勤務時間中だよ」
「あ、…社長、申し訳ございません。何だかいてもたってもいられない気持ちになりました」
「まあ、潤の気持ちもわかるけど。兄さんだけを行かせるのは心配だし。彼女を見た瞬間、劣化版に戻る可能性もあるし…ふふ、サボってもいいよ。社長の私が許可しよう。その分、夜はしっかり仕事してもらうから」
「…はい…夜、…がんばります。ありがとうございます」
園田には潤の顔が赤らんだ理由が分からなかった。
勇一は「全くこいつらは」と呆れ顔だ。
「行きましょう!」
潤が先頭を切り、三人は仮眠室から出て行った。
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