その男、激震!(176)

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そろそろ文庫帯企画第三弾の準備を…帯のご用意を~

 

その男は恐縮しながらやってきた。探偵という職業柄、桐生組とクロセの社長の関係は知ってはいたが、まさかクロセの本社ビルに呼び出しをくらうとは思ってもいなかった。

「…出迎えは…なし…」

運搬用のエレベーターを指定されたことから歓迎されてないことは推測が付く。
エレベーターを下りた男は携帯を取り出した。

「…園田です。今、エレベーターを降りました」
『そこから非常口が見えるだろ、一旦、そこから非常階段に出てくれ。出たところにもう一つドアがある。立ち入り禁止と書かれているが、そこから中に入ってくれ』
「承知しました」

指示通りに動くと、ドアがあった。
そのドアをゆっくりと開く。すると

「お待ちしてました」

知らない顔が男を迎えてくれた。
二十代後半ぐらいの好青年だ。

「あの、私、」
「挨拶はいい。早く中に入ってくれ」

まずは自己紹介と思っていた男に、奥から乱暴な声が掛かる。

「組長さん、失礼です。人の上に立つ人間は礼儀をわきまえないと!」
「お前、勝貴ソックリになってきてるぞ」
「それは嬉しいことです」
「可愛くね~な」
「潤は十分可愛いですよ。ふふ、兄さんのようなゲテモノ食いには理解不能だと思いますが」

突然始まった会話に、男はまだ部屋の中に一歩も踏み込めないでいた。
ドアノブに手を掛けたまま、中の様子を伺う。
社長室と聞かされていたがそうは見えない。仮眠室だ。
自分の事務所にも似たような部屋があるがこちらはホテルに近い。
部屋の中には三人の男がいる。
一人は目の前に立つ青年。
一人は調査対象で本日面会予定の桐生組の組長桐生勇一。
そして…
――生でお目に掛かるのは初めてだ…クロセグループの帝王、黒瀬武史…。
写真でも容姿には驚かされるが、生だと破壊力が半端ないな。
仕事柄黒い噂は耳に届く。
噂は噂でいいのだ。
この男に関してだけは表に出ている事柄しか調査してはならないというのが、業界暗黙のルールだ。

『そつなく終わらせて、生きてここから帰るぞ!』

男は自分を落ち着かせるために深呼吸した。

 

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