その男、激震!(98)

勇一の下衣を手際よく時枝が剥ぐ。
下半身を晒した勇一の上に乗ってきた時枝の腰からは、バスタオルが消えていた。

「勝貴! ちょ、ちょっと待て! 落ち着け」
「心配するな。俺は落ち着いている」

勇一の劣化版橋爪によって銃創が時枝の肌を飾っている。
その傷跡を隠しもせず裸体を晒す時枝の目は獲物を狩る獣のそれだ。

「待てって!」

勇一が目を白黒させている。

「落ち着きが必要なのは、俺じゃなく浮気者のお前だ」
「ダメだ! 勝貴ッ、それはっ、ダメだ!」

勇一が、時枝の身体を押し退けようとする。

「は? ルーシーとはヤる気満々だったのに、俺とは嫌だというつもりか?」
「そんなわけないだろっ!」
「ふん、どうだか。福岡まで来たくせに、いざとなったらビビッたのか? 最後にいつしたかも思え出せないほど、間が空いてるからな」
「…俺は覚えている…。病室でヤッた…撃たれて動けないお前を俺は抱いた…ィテッ!」 

すでに殴られ腫れた顔の勇一を、上に乗ったままの時枝が頭突きした。

「劣化版の分はカウントするな、バカ! 俺とセックスする気があるのかないのかどっちだ」
「ある!」
「じゃあ、問題ない。待つ必要もない。俺は落ち着いている」
「…ダメだって…でも、それはっ、違うだろっ! 勝貴ッ! 落ち着けっ!」

勇一だって、時枝と身体を合わせる日をどれだけ待ち遠しく思っていたことか。だが、今、勇一は時枝から逃れようと必死だ。

「何が違うんだ?」
「指!」
「解さないと、痛いだろ?」
「勝貴ィイイイッ! 俺が色々悪かったっ! 頼むから、俺のケツの中から指を抜け!」 

時枝が上に乗ってきた直後から、勇一の奥まった場所にある穴に時枝の指が潜り込んでいた。

「素直になったらどうだ? お前と違って俺の指に損傷はないから、良い動きするだろ?」
「…ぁあ、やっ、この野郎っ…」
「この野郎? ふ~ん、そんな口利いていいのかな?」

時枝の指が、ジャストな場所を刺激する。

「わっ、ダメ~~~ッ、…許してッ」
「ち、まだメインを挿入してないだろ! セックス前に啼くな」

これは嫌がらせか? 
お仕置きか?
セックスには変わりないが、そりゃないだろう!?