その男、激震!(63)

「うるせ~っ、泣かせろ!」
「…うっ、また大きくなった。泣きながら大きくするなんて、オッサンらしい…な」
「お前だって、泣いてるじゃねぇか」

大喜が流す涙が佐々木の胸を濡らしていた。

「オッサンが泣かせたんだろ……」

痛みで滲んでいた涙が、佐々木の胸で幸福感と安堵感からくるモノに変わっていた。

「もちろん、嬉し涙だよな」
「オッサンと同じだよ」
「じゃあ、エロ涙だ」
「…言ってろ、…エロゴリラ」
「ああ、今の俺は最高にエロだ」
「…バカ、否定しろよ」
「できるか。今日は一日中セックスだ!」
「…って、涙流して宣言することかよ…あん、バカ、また、だ」

サイズが変わっているのではなく実際は脈打っているのだが、その振動が大喜には大きくなっているように感じる。
嬉しい宣言にキュンと突き上げられた最奥が啼く。
痛みは半減し、快感が欲しいと疼き始めいてた。

「そろそろ、動くぞ」

佐々木の断りに、

「おせ~んだよ、オッサン。――ぁああう、」

佐々木が動くより先に、大喜が自ら腰を動かした。

「このエロガキ、俺の楽しみとるな!」

完全に大喜の身体は佐々木を思い出し、快感を追い求めている。負けじと佐々木が下から突き上げる。

「や、だっ、…すげぇ~よっ、オッサン、スゲ~いいよっ、…ぁあう、…クソ、は、…は、…悦すぎだってっ!」

長すぎたお預け期間の反動で、二人は激しく求め合った。
それも、自分達の寝室ではなく勇一の寝室で。途中で自分達の寝室に引き上げることもできたはずなのに、その考えすら浮かばなかった。
二人の世界。
二人だけの官能の世界に浸っていたのに、こういう時に限って邪魔が入る。
それも、二回。
一回目は、最初の絶頂の後に木村が。これは仕方ない。組長勇一からの伝言だ。
だが、二回目の邪魔は許せるものではなかった。
三ラウンドに入ったばかり。
大喜が佐々木の下で喘いでいる時に、組の連中が集団で「若頭! ご無事ですか!」と、勇一の寝室に流れ込んで来た。