「やっぱりな。思っていた通りだ」
佐々木と大喜の寝室に忍び寄る黒い影。
「川の字の寝ている場合じゃないだろ」
佐々木とシュウちゃんと大喜の寝顔が懐中電灯で照らされた。
「侵入者の気配を察しできない男が、うちのナンバーツーとは…。桐生は大丈夫か? ……大丈夫じゃないよな」
さてと、と侵入者がベッドの上からシュウちゃんを引っ張り上げた。
「うぅん、シュウ、ちゃん…」
自分の身体から剥がされていくシュウちゃんを追いかけるように大喜が手を伸ばす。
「はいはい、ぬいぐるみタイムはお終い。その手はこちら」
侵入者が大喜の手首を掴む。掛け布団を捲り、佐々木の股間の場所を侵入者が確認すると、大喜の手を置いた。
「ん~、シュウちゃん、…シュウちゃん」
手を置いたまま、大喜が佐々木にすり寄る。
「よし、その調子だ。手伝ってやる」
侵入者が掴んだままの大喜の手首を操り、大喜の手を佐々木の股間の上で動かした。
「…ダイダイ、ぁあ、…ダイダイ」
佐々木が寝言を漏らす。下半身の変化が夢に直結しているらしい。
「シュウちゃ~~~ん、…硬い、…ん? 硬い? シュウちゃんが発情…シュウちゃんなら…いいや、」
オイオイ、何がいいんだ?
お前、欲求不満の末に、シュウちゃんと一戦交える気か?
俺だってさすがにぬいぐるみ相手はないぞ…って、ラブドールは同じか?
あれはいいよな~。
あいつの匂いを染み付けたのが一体欲しいが。
いや、本物が一番だ。そのためにも、こいつらをどうにかしないと。
侵入者は、操る大喜の手の動きをさらに加速させた。